交通事故慰謝料ノート

交通事故の慰謝料や示談について被害者にとって有益な情報を配信します。是非、慰謝料や示談金の増額にお役立てください。

このサイトを作った理由

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交通事故被害は、どうしてもお金のことがからんでくるので誰にでも相談できることではありません。しかし、不安で不安で仕方ないので、ネットで調べるわけですが、賠償問題の知識や経験がない被害者にとってネットは罠だらけです。私自身、三度の交通事故を経験(被害者)し、一度目と二度目の事故のとき、よく調べたり、問い合わせをしたりしましたので、今ではそのことをよく分かっています。

そんな過去の自分を振り返り、「あのとき、こんなサイトがあったら」と思うようなサイトを作りたいと強く思い、当サイト 交通事故慰謝料ノート を始めました。

交通事故の賠償問題は、ちょっとしたコツを知るだけでグッと防御力が上がります。ちょっと知っているのと、まったく知らないのとでは示談金には大きな差がつきます。下記の私の事故歴を見ても分かるとおり、事故や受傷程度、症状などほぼ変わっていないにもかからず、示談金は(1回目)56万円、(2回目)116万円、(3回目)835万円となっています。知らないとバカをみるとはこのことです。

サラリーマンの傍ら、このサイトの更新をしていきますので更新はゆっくりめになると思いますが、1人でも多くの交通事故被害者にとって、本当に有益なコンテンツにしていき、「このサイトのおかげで助かったよ!」「この情報を知ったおかげで示談金が増額されたよ!」「書かれているとおりに主張したら治療打ち切りを回避できたよ!」など、ユーザーからのお声を励みに頑張っていきたいと思います。

 

私の交通事故被害者の記録

私はこれまでの人生(40年)で三度の交通事故に遭いました。十代の頃、二十代の頃、三十代の頃にそれぞれ一度ずつ。三度の事故すべてにおいて私の過失はゼロ、加えて受傷程度や症状がほぼ同じ。にもかかわらず、保険会社から支払われた示談金は56万円→116万円→835万円という結果になったのです。つまりは、人生初の交通事故被害者となったそこのあなたは、私が今知っていることを知り、それを正しく進めれば、たとえ他覚所見がないむち打ちでも、私が三度目に手にした金額に近い示談金を手にできる可能性が高いということです。

 

一度目の事故

一度目の事故のときは、交通事故の賠償問題のことなんて全く理解していませんでした。たまたま通院を開始した病院が整形外科だっただけで、同時に接骨院に通っていましたし。。。接骨院のほうがマッサージをよくしてくれ、なんとなく居心地が良かったので、事故から少しして気づけば整形外科より接骨院がメインになっていました。(今考えると完全にアウトですが)

そして、整形外科のほうは10日に1回程度の通院とし、いつも湿布薬を出され、そのことにひとつの疑問も抱きませんでした。(これも完全にアウトですよね)もちろん、その頃の私は、「後遺症」と「後遺障害」の違いなど知る由もなく、首に違和感は残っているにもかかわらず、たったの1ヶ月半程度で一方的に治療を打ち切られあえなく終了です。私は不満でしたが、保険会社の担当者が作り出した流れには1mmも逆らうことはできませんでした。今、思うと、このときの私は交通事故被害者として知るべきことを知らないがためにやるべきことが全く分かっていなかったと強く感じます。

とにかく焦り、不安に感じることだらけで、気づけば保険会社の思惑に120%ハマり(という言い方も良くありませんが...)その金額が妥当かどうかなんてことは分からないまま、いつの間にか、示談していました。

 

二度目の事故

一度目の事故から約9年後、二度目の事故に遭いました。
二度目の事故では、一度目の事故の経験があることに加え、私も少しだけ社会経験を積んでいましたので、ちょっとは賢くなっていました。今思うと、交通事故被害者としての心構えや法律などはこのときもよく分かっていませんでしたが、「言うべきことは言う」「その場の雰囲気に流されない」「本当にそれが一般的なのだろうか、と疑ってみる」ということぐらいは考えました。

しかし、仕事や家族との時間が生活の中心ですから、たまに空いた時間にネットなどで情報収集するくらいで、今のように賠償問題の実務を学んだり、交通事故に関連する書籍を100冊読んだりなどはまったくしませんでした。始めの頃は「おっ、一度目の事故のときとは違うぞ」という雰囲気はありましたが、気付いてみたら、保険会社の担当者の手のひらでコロコロと転がされていただけです。

病院については、この頃、ネットで「整形外科かペインクリニックがいい」という情報を見つけ、そうしていましたが、事故から3ヶ月が経過したあたりで担当者から治療打ち切りの打診があり、「あとは後遺症を申請して」などという口車(ではありませんが)にのせられ、症状固定→後遺障害申請したい旨、主治医に告げる→嫌がられて申請すらできなかった→すでに症状固定しているので、治療は終了→まんまと保険会社担当者にしてやれる、というコントのような結末で終了。

 

三度目の事故

二度目の事故から約7年半後、三度目の事故に遭います。(本当にどれだけ運が悪いんだ...)赤信号で完全停車中、後方から脇見運転をしていたら営業車両がほぼノーブレーキでドーンです。一度目、二度目の事故同様、私はむち打ち(頚椎捻挫)になりました。

さすがの私も嫌になりました。ちょうどその頃、仕事でちょっと大きめのプロジェクトをまかせられるくらいになっており、会社の中でも社会的にも責任ある立場にいました。それが三度目の事故のおかげで少しずつ崩壊していったのです。むち打ちの痛みや痺れが原因で集中力は欠如し、通院のために仕事を遅刻や早退、ときには休まざるを得ないときもありました。すべてを事故のせいにするわけではありませんが、それが原因で人間関係もぎくしゃくしていたことも事実です。

そんな悲観的だった当時の私の脳裏にある言葉がふと浮かびます。「ピンチはチャンス」これまでの人生の中で何度も聞いた言葉です。ただの言葉です。たかが言葉ひとつです。しかし、この誰が言ったか分からない言葉で、悲観的だった私の中で「負けるもんか!」というスイッチに切り替わったのです。

私は、人生において三度も交通事故に遭い、その経験は貴重なものだと考えるようになりました。一度目と二度目の交通事故当初、情弱だった私は似非専門家による誤った情報や高額報酬案件だけに親身な(大して)交通事故に強くもない弁護士の話を鵜呑みにし、保険会社担当者の手のひらでコロコロと転がさていましたが、よし、三度目は本気を出してやろうじゃないの、と。

交通事故の賠償問題のことや正しい病院のかかり方、後遺症と後遺障害のこと、MRIやレントゲン画像の見かたを学び、頚椎の模型もネットで購入しました。交通事故関係の書籍も100冊以上読みました。(書籍の中には、現実的に使えると思ったノウハウはほぼありませんでした)

※当時、頚椎の模型をネットで購入したとき、妻にはものすごい嫌な顔をされました(苦笑)

 

役に立たない弁護士とバカにできない交通事故マニュアルの存在

交通事故の賠償問題における慰謝料の計算などについては、示談金の合計が120万円以内におさまる場合→自賠責保険基準、120万円を超過する場合→任意保険基準 or 弁護士(裁判)基準となります。

自賠責保険基準<任意保険基準<弁護士(裁判)基準

というふうに金額は大きくなっていきます。

ネットでは「交通事故に強い弁護士におまかせください」というサイトや広告をよく目にしますが、実際は本当に交通事故事案に強い弁護士は多くないというのが私の感想です。(実体験と相談者からの情報など)

しかも、後遺障害が認定される前から親身になってくれる弁護士がどれだけいるのでしょうか?(ほとんどいません)弁護士への依頼は基本、「後遺障害が認定されてからまた来てね」です。※ただし、本当に交通事故に強い弁護士に依頼すれば、示談金は実にあっけなく増額され、弁護士報酬を差し引いても手にする示談金は増えます。

では、後遺障害が認定された弁護士に依頼するとして、それまでの通院や保険会社とのやり取り、後遺障害については一体誰にアドバイスを乞えばいいというのでしょうか?

そこで、私は、一見怪しい「交通事故マニュアル」の類もネットで購入しました。(計7つで約10万円程度)中には書籍に書かれていたり、ネットに転がっている情報を集めただけでは?というものばかりでしたが、1つだけ「うむむむ、なるほど、これはすごい」と唸るレベルだと言っても過言ではないような 交通事故被害者マニュアル がありました。

交通事故被害者向けに書かれた書籍の場合、そのほとんどが示談では役に立ちません。(過失割合や道交法等を学んでも示談金は増えない)しかし、その交通事故マニュアルに書かれていることは、実際の交通事故被害者がリアルに役立つことばかりがまとめて書かれていました。結果的に、この交通事故マニュアルは、「後遺障害認定前の段階では」という前提で、弁護士なんかとは比べものにならないくらい役に立ちました。

私が知る限りでは、こういうことってあまり語られていません。弁護士は、弁護士基準で請求できる唯一のプロ、とにかく一度連絡したほうがいい。お医者さんは「お医者様」、交通事故マニュアル?なんか怪しい。。。少なくとも私の経験では、一般的に言われていることと、ほぼすべてが「逆」でした。私はそういうことも自身の体験から知り、余計に「こりゃ、交通事故の賠償問題はややこしくなるわけだ」と強く感じています。

実際、私はその交通事故被害者マニュアルを手にしていなければ、三度目の示談金は大幅に目減りしていたでしょう。一般的に信用がある「弁護士」より多くの人が「怪しい」と思っている情報に救われたわけですから、こういうものもバカにしてはいけないということを身をもって知ることができました。(ただし、それを引き当てるために約10万円も使ってしまったのは妻にはナイショです)

あっ、誤解がないように一応書いておきますが、交通事故被害者に対し、親身になってくれない弁護士は星の数ほどいますが やよい共同法律事務所 は別です。交通事故賠償問題の世界に身をおく者の間では有名な話ですが、この法律事務所は本当の意味で被害者に寄り添ってくれる法律事務所です。山﨑先生、見た目はちょっと怖いんですが、ものすごくやさしい先生ですのでご安心ください(こんなことを書いたら、山﨑先生に怒られそうだけど...)私が言うのは大変おこがましい気がしますが、「弁護士としての腕」も確かです。こういう法律事務所のことを本当の意味で「交通事故に強い弁護士」といいます。(そうでない法律事務所が多いです...)

後遺障害が認定されていても、そうでなくても話しを聞いてくれますので、1人で悩んでいるならまずは一度相談してみるのが早いかもしれません。ご加入の保険に弁護士特約が付いていれば弁護士報酬の負担は実質0円ですので、なおさらです。(後遺障害が認定されている人はまず間違いなく相談したほうがいいです。示談金は増額し、あなたの手取りも増えます)

 

最後に

結果、治療打ち切りを何度もあっさりと回避し、後遺障害が認定され、三度目の事故の示談金は835万円になりました。一度目と二度目のときと事故の状況や受傷程度、症状が変わらないのに、示談金だけでいうと一度目の約15倍です。これはどういうことかというと、本来835万円を支払ってもらうべきところを何も知らないことをいいことに、56万円で示談させられていたということです。

今私が思うのは、自分のような経験をした人が誰か1人でも交通事故の賠償問題における「むち打ち被害者のための本当の話」を書籍やネットで情報公開してくれていたら、と強く感じました。だから、このサイトで私がそれをやっていければと考えるに至りました。

微力ながら誰にも相談できず、正しい情報をお探しのあなたを少しでもバックアップできたら嬉しく思います。

交通事故被害者が通院にタクシーを利用した結果どうなるのか?

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通院手段はひとつではありません。電車、バス、車(自家用車)、自転車、タクシー、徒歩...etc

中でも、一定数の割合で、タクシーで病院に通院させることを必死になって保険会社に認めさせようとする被害者の方がいます。

ここでは、通院にタクシーを利用し続けた結果どうなるのかをお伝えしたいと思います。

 

タクシーで通院したらすべて保険会社がタクシー代を支払うのか?

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まず、通院開始から症状固定までの間、ずっとタクシーで通院することを認める保険会社の担当者はいないでしょう。

ただし、事故当日から数回(数日〜数週間)はタクシーを利用しての通院が認められることはあります。もちろん、保険会社の方から「タクシーを利用して下さい」などとは言われませんので、どうしてもタクシーを利用したい場合は自分から申し出る必要があります。

「身体がキツいから」という自身の勝手な判断で、事前に保険会社の担当者から許可をとらずにタクシーを利用し、「◯月◯日の通院は、タクシーを使ったから」なんてふうにことを進めれば、被害者の印象はかなり悪くなり、以降のやり取りに支障をきたします。加えて、そのタクシー代は支払ってもらえるか分かりません。やむを得ず通院にタクシーを利用する際は必ず事前に保険会社の担当者に相談しましょう。

 

本当にタクシーが必要?

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私はこれまで数百名の交通事故被害者の相談にのったり、お話しを聞いてきましたが、その中で通院にタクシーを利用されている、もしくは利用したいと言っている方が本当にタクシーが必要であると思ったことは数える程度しかありません。(電車やバスで十分でしょ。もしくは入院するべきでしょ、という話)

簡単にいうと、ほとんどの人が感情的になった結果、「腹立つからタクシーを使ってやるぅ!」という気持ちがあるんだろうなという感じです。(お気持ちは分かります)

そもそも、何故、通院にタクシーが必要なのでしょうか?

多くの方がこのロジックです。

「治療や検査のため、通院する必要がある」
→「でも、電車やバスだと受傷した身体にはキツい...」
→「無理してケガがひどくなったら大変でしょ?」
→「タクシーならラクだからなんとか大丈夫」

う〜ん、分からなくもないですが、「感情」を抜きにして冷静にもう一度考えてみて下さい。

それって、本当にタクシーでなければ無理なんでしょうか?

 

あまりゴリ押しするとやぶへびになりますよ!

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被害者の中には、明らかに電車やバスでの通院が可能なのに、面倒くさいからなのか、保険会社の担当者に「タクシーで通院させろ」と迫る方がいます。それ、あまりゴリ押ししないほうがいいですよ。何故なら、保険会社の担当者はいつでも攻撃態勢に入ることができるからです。

よくあるパターンが、「通院にタクシーを利用しなければならないほどの受傷だったら、入院したはず」あるいは、「そんなお身体だとしたら、何故入院しなかったのですか?」と攻撃されるパターンです。相手は海千山千の経験豊富な保険会社担当者です。論理的で隙がない攻撃パターンは恐ろしくたくさんあります...

保険会社の担当者だって人の子です。しかも経験豊富なプロです。その被害者が本当にタクシーが必要な状態であれば、あっさり認めてくれますし、逆に担当者がその必要はなしと判断しているのであれば(その時点では)それが正しい判断だと思います。

とにかく、ヘタにゴリ押しすると、一気に攻撃態勢にスイッチされる可能性がありますから注意して下さいね。タクシー代なんて最終的に支払ってもらう妥当な示談金からしたら誤差の範囲です。そんな小さな部分にこだわるのはやめましょうよ、という話です。

 

保険会社の担当者がそれでもタクシーの通院を認める理由

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保険会社の担当者がタクシーでの通院を認めるのは、「その必要性を理解しているから」という場合と、「どうせすぐに治療を打ち切るから、そのくらい別にいいか」というケースがあります。

必要性があれば担当者は認めますし、必要性がないのにタクシーを利用して通院をする被害者に対しては、「いやいや、タクシーを使わなくても電車やバスで十分でしょ〜」という気持ちを隠して、「(通常より早い段階での)治療打ち切り」という反撃を開始してきます。※実際にそういうケースは少なくありません。

 

示談金が目減りします

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あまりタクシーを利用しての通院に固執しすぎていると、ドンドンダウンオンウェンズデイ(毎週水曜日にドンドン商品価格が下がっていく古着屋さん)よろしくどんどん示談金が減らされかねません。

早めの治療打ち切り→後遺障害難しい→後遺障害慰謝料と逸失利益なし→最低限の補償に。と、そんな具合で通院にタクシーを使い続けていると、結果的には被害者が損をするパターンが多いということです。

と、ここまでえらそうに知ったふうなことを書いていますが、私は20年ほど前に人生初めての交通事故に遭いました。そのときは保険会社の担当者に対し、感情的になり、その結果、電車やバスで通院できたにもかかわらず、何度かタクシーで通院し、全額(といっても総額で2万円程度)保険会社に支払わせてしまいましたが、今振り返ると、保険会社の担当者さんにも無礼な態度をとっていましたし、結果、示談金をガッツリ削られていました(今だから分かる)ので、無知というのは本当に恐ろしいです、はいm(__)m

ということで、まとめると、「本当にタクシーが必要なら仕方がないが、そうでなければ結果的に示談金が目減りするだけなので、タクシーで通院するのはやめよう!」ということです。

DMK136で治療打ち切りを宣告する保険会社

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DMK136(ディーエムケーイチサンロク)と聞くと、まるで某アイドルグループのようですが、これはそんな穏やかなものではありません。今回は、保険会社がひとつの物差しとして使っている隠語「DMK136」についてご説明します。

これは、

D→打撲→1ヶ月

M→むち打ち→3ヶ月

K→骨折→6ヶ月

という意味で、その期間は、いわゆる「治療打ち切り」の目安となっています。

つまりは、

「打撲程度なら1ヶ月もあれば十分でしょ」

「むち打ち程度なら3ヶ月もあれば十分でしょ」

「骨折程度なら6ヶ月もあれば十分でしょ」

という意味です。

それでは、このDMK136の正しい対策をお伝えしたいと思います。

他覚所見なしのむち打ちは3ヶ月で治療打ち切り?冗談じゃない!

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打撲と骨折は理解できますが、むち打ちが「3ヶ月」というのは納得ができません。私が納得するかしないかということはどうでもいいことなのですが、言葉を変えて表現するのなら、3ヶ月というのは、「ほとんどのむち打ち被害者にとって適切な治療期間ではない」と思っています。

また、保険会社はDMK136に従い、何も知らない被害者相手にバシバシと治療を打ち切ってきたものですから、おかげで後ろをみたらDMK136によって治療を打ち切られた被害者の山(前例)があるではありませんか!

そして、それらの前例を出し、落ち着いた口調でこう言います。

「それが一般的ですから」

「むち打ちの場合、通院は3ヶ月と決まっていますので...」(←そんな決まりはありません)

保険会社の担当者は、このように前例を出し、さもそのような決まりや規定があるかのごとく「これが一般的」と詰めてくるのです。(一部のモラルなき担当者)

ぐぬぬぬぬ、、、、なにくそ、、負けるもんか!と真っ向からこれに対抗しては、無駄にエネルギー(時間とお金)を消費するだけです。賠償問題の知識と経験が乏しいシロート同然の被害者が感情的になって、海千山千の保険会社担当者に勝てるはずがありません。冷静に考えて下さい。

賢い被害者は、こう考えます。

「ということは、その目安となるDMK136とやらの期間内に治療を打ち切られないようにするにはどうしたらいいのかを考えればいいんだね」

その通りです。それがもっとも賢い作戦、防御策なのです。

治療打ち切りを回避するために

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当たり前の話ですが、完治したのに通院する必要性はないし、そんなことはしてはいけません。問題は、完治する前に治療を打ち切ろうとする保険会社担当者が後を絶たないという点です。

もともと、むち打ちの大半は他覚所見がありません。異常が発見しづらい、もしくは主治医が異常を発見できないケースが多いのです。

他覚所見がなくとも、患者自身は痛みや痺れといった自覚症状があります。しかし、患者自身がその自覚症状をうまく説明できないことに加え、「どうせ、時間が経てば治るよ」という医師の思い込みが手伝って、なかなか異常を発見されないケースも少なくありません。(実際に、同じMRI画像を使って他覚所見が認められたケースと「異常なし」とされたケースがあります)

DMK136、もしくはその手前で治療を打ち切られないようにするためには、2つの簡単な対策があります。

 

治療打ち切りを回避するための正しい医者のかかり方

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完治していないにもかかわらず、保険会社が治療を打ち切ろうと考えるにはそれなりの理由がありますが、結果を先にいうと、「治療を打ち切るのが妥当だと考えるから」もしくは「治療を打ち切れるから」というものです。

どういうことかといいますと、たとえば、被害者及び患者であるあなたが「◯◯(部位)が痺れる」「△△が痛い」という自覚症状があるとします。事故からしばらくして、保険会社の担当者から電話がかかってきて「お身体の具合はどうですか?」と聞かれたりするわけです。

あなたは、主に「痺れる」などの神経的な自覚症状を伝えますが、治療内容(医療照会及び診療報酬明細書など)をみてみると、マッサージや湿布薬ばかりで、それらしい治療や検査は何もしていません。

そうなれば、保険会社担当者からすれば、「いつでも治療を打ち切れる状態」にあると考えていいでしょう。何故なら、治療内容は、主治医がそう判断したからであり、その内容が「マッサージ」と「湿布薬」ということであれば、あまり「神経」は関係なさそうですし、マッサージができるということはそんなにひどい状態でもないと考えるのが普通だからです。

これはひとつのたとえ話ですが、適切な治療を受けていないむち打ち被害者というのは驚くほど多いです。こんなことをしていればDMK136という基準を目安に治療を打ち切られても文句は言えません。ですから、早々に治療を打ち切られないように、正しい治療や検査をしてもらえるように日頃から主治医とはコミュニケーションを図り、伝えるべきこと(詳細な自覚症状の説明など)はしっかりと医師に伝えるようにしましょう。

 

治療打ち切りを回避するための正しい保険会社への対応

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保険会社は加害者の代理人という立場にあります。加害者の代わりに被害者と接し、加害者の代わりにあなたに補償をするわけです。

保険会社は「加害者の代わり(代理人)」ではありますが、あなたを交通事故に巻き込んだのは加害者本人であって、保険会社ではありません。そんなことは少し考えれば小学生でも分かるはずなのに、ある日突然、慣れない交通事故被害者という立場になり、焦るあなたは心に余裕がなく、代理人という立場の保険会社の担当者にきつく当たり散らしてしまいます。

保険会社の担当者からすれば、これは余裕の想定内です。しかし、事故からしばらく時間が経っているにもかかわらず、最初から最後まで、常に保険会社担当者にキツく当たり散らしている被害者をたまにみかけます。断言しておきますが、そういう人は全力で早々に治療を打ち切られるか、あるいは、無知な被害者が気づかないところで示談金の一部をガツッと削られて、結局、損をするのは被害者自身なので注意しましょう。

3分でわかる「後遺症」と「後遺障害」の違いとその対策

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「後遺症」「後遺障害」は似ているようですが、交通事故の賠償問題の世界ではその意味合いはまったく異なります。何故なら、前者は補償されず、後者は補償されるからです。また、後遺障害の認定の有無によって示談金が大きく変わってきますので、ここではその違いについてよく理解しましょう。

 

後遺症と後遺障害

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まず、「後遺症」とは、一定期間(症状固定後など)経過しても、痛みや痺れなどの症状が残ったものをひっくるめてそう呼びます。つまり、どこの誰がなんと言おうと、あなたが「まだ痛い」「まだ痺れる」と言えば、それは後遺症であるといえます。

その後遺症部分についても、保険会社にしっかりと補償をしてもらいたいと考えるわけですが、そのままでは保険会社は一切補償しません。何故なら、何の裏付け(医学的証明や医学的説明)もない症状をすべて認めてくれるほど保険会社はあまくないからです。(一般常識的にもそうですよね)

そこで、その「後遺症」を第三者(損害保険料率算出機構の担当者)に認定してもらいます。「後遺症」が「後遺障害」と認定されて初めて保険会社はその部分についても補償してくれるようになるのです。

後遺障害はどうやって申請するの?

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後遺障害の申請は、主治医に「後遺障害診断書」(用紙は保険会社に言えば送ってくれます)を書いてもらいます。申請方法は、加害者側の保険会社を通して行う「事前認定」と被害者自ら(もしくは代理人)が行う「被害者請求」の2つがあります。

ちなみに、MRIやレントゲンなどの検査で異常がない(主治医が発見できないケースも含む)場合、「他覚所見なし」ということになるわけですが、その場合、後遺障害認定暗黙ルールとして「通院期間180日以上」という壁があります。

後遺障害は誰が認定するの?

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事前認定でも被害者請求でも、提出した書類は損害保険会社から損害保険料率算出機構の自賠責調査事務所に送付され、そこで審査されます。

どうすれば後遺障害に認定されるの?

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事故との因果関係がないものはもちろんダメですが、他覚所見があれば、(基本的には)12級以上の等級が認定されます。問題は、「むち打ち」のように、他覚所見がないケースです。

これには早い段階で準備ができなかった多くの交通事故被害者が泣かされていると思います。他覚所見がないむち打ち被害者の場合、「医学的証明」ができないわけですから、「医学的説明」をしてそれを認めてもらうという流れになります。(後遺障害14級は、他覚所見がなくても認定される等級です)

少し具体的にいうと、こんな感じでしょうか。

「なるほど。通院期間は180日以上で、通院頻度は週に◯回か。ふむふむ。そして治療内容は、定期的なトリガーポイント注射と痛みがひどいときは神経ブロック注射もしているようだ。薬はリリカ◯◯g(痛み止めの薬)か。主治医のこの治療内容と被害者自らが訴える症状、そして主治医が書いた後遺障害診断書に書かれている内容をみるかぎり、交通事故の受傷により頚椎◯番にダメージを負い、それが神経を圧迫していることが原因で、腕や指先に痛みや痺れがあると考えるのは難しくないし、医学的説明は十分につく。よし、他覚所見はないが、後遺障害14級!ポンッ!(ハンコをつく音)」

※あくまでもイメージです。

ただの後遺症と認定された後遺障害とでは示談金はどれだけ違う?

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これは全く違います。
ただの後遺症→0円(その部分について)
後遺障害14級→100万円〜

後遺障害が認定されると、通常の入通院慰謝料とは別に「後遺障害慰謝料」が支払われることに加え、「逸失利益」が支払われます。被害者の当時の収入などが関係してくるので一概にはいえませんが、後遺障害14級が認定されれば、ただの後遺症(非該当)とは少なくても100万円以上は変わってきます。(200万円、300万円以上変わってくる人もたくさんいます)

今のうちから後遺障害申請に向けて準備しておいたほうがいいの?

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準備というより、「あとあと後遺障害の申請をする可能性はある」ということは頭に叩き込んでおいたほうがいいでしょう。

何故なら、現段階であなたが「してはいけないこと」「しないほうがいいこと」ばかりしていては、数ヶ月後に後遺障害を申請する際、それが障壁となり、申請を断念したり、申請段階で「非該当濃厚」なんてことになりかねないからです。

「してはいけないこと」「しないほうがいいこと」というのは主に下記のようなことを指します。

  • メインの通院を接骨院や整骨院にしてしまう(後遺障害診断書を書けない)
  • マッサージしか受けていない(後遺障害申請に不利)
  • 湿布薬を通院開始当初から数カ月もらいっぱなし(後遺障害申請に不利)
  • 主治医の前でぴょんぴょん飛び跳ねている(誤解される行動)
  • 通院は常にタクシーを利用している(保険会社との信頼関係)
  • 保険会社の担当者に毎回厳しく当たり散らしている(保険会社との信頼関係)
  • 似非専門家を真の専門家だと勘違いしている(取り返しがつかない)
  • 自分は交渉上手だと勘違いしている(保険会社はあまくない)

まだまだ他にもありますが、ざっとあげてもこれだけあります。マッサージや湿布薬のことに関しては、それが本当に適切な処置であれば拒否する必要はありません。ただし、その場合、かなりの確率で「神経系」が症状の原因ではないと判断されることでしょう。

交通事故の慰謝料って、具体的に何を指しているかご存知ですか?

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交通事故被害者になると、「慰謝料」「示談金」その他にも「賠償金」など、一般の方には「えっ、なにが違うの???」という普段聞き慣れない言葉をよく耳にします。

また、トータルの賠償金を「慰謝料」だと勘違いしている人も少なくありません。

人生には落ちたほうが良い(経験)落とし穴と、わざわざ落ちる必要はない落とし穴というものがあります。

交通事故の賠償問題においていえば、事前にちょっと知っておくだけで落ちなくてはいい落とし穴を回避し、防御力をグッとアップできる知識というのは結構あります。その代表例のひとつ、それが「言葉の勘違い」です。

「慰謝料の意味くらい分かるよ...なんとなくだけど...あれだろ、ようはごめんなさい的な?やつでしょ?」

多くの交通事故被害者がその程度の知識です。そして示談までそのまま向かってしまうものですから、落ちなくてもいい落とし穴にわざわざ落ちてしまうのです。しかも何度も。。。

ここでは、交通事故の被害者になったら知っておいたほうが良い言葉の意味をご紹介しますので、是非、円満な示談解決にお役立て下さい。

 

まず、示談金の内訳(項目)を知ろう!

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先にいっておくと、交通事故の賠償問題において、「賠償金」と「示談金」というのは、ほぼ同じ意味です。ものすごく正確にいうと微妙に異なりますが、それはもう誤差の範囲ということで、その2つを同じ意味だと認識して問題ありません。「賠償金」と「示談金」この2つの言葉は同義だと認識しましょう。(この先は「示談金」で統一します)

示談金、それはつまり、最終的に示談したときに加害者の代理人である保険会社からあなたに支払われる(補償される)すべてのお金です。慰謝料や治療費、車の修理費など、すべてを合わせて「示談金」と表現します。

では、その示談金の内訳をみていきましょう。

ーーA.物損部分ーー

  • 修理費(全損の場合、車両費)
  • その他、動産損害物(たとえばトランクの中にあった荷物等)

ーーB.人身部分ーー

  • 治療費
  • 入通院慰謝料
  • 後遺障害慰謝料
  • 通院交通費
  • 休業損害(休業補償)
  • 逸失利益

ーーーーー

上記のA+B=示談金となります。

「後遺障害慰謝料」と「逸失利益」については、あなたの「後遺症」が「後遺障害」と認定されたときに限り、支払われます。

また、「休業損害(休業補償)」についても、「仕事を休んだら、休んだ分をすべて補償してもらえる」という意味ではなく、「仕事を休み、保険会社が認めた部分」について休業損害として支払ってもらえるということになります。

 

結局、慰謝料の意味は?

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「慰謝料」とは、分かりやすく言ってしまえば、精神的な苦痛を与えてしまったことに対する「ごめんなさい」の気持ちです。

そして、交通事故の賠償問題において、「慰謝料」というのは、主に2つあります。それは、先にご説明した内訳にある「入通院慰謝料」「後遺障害慰謝料」です。

後遺症が残る残らないにかかわらず、支払われるのが「入通院慰謝料」です。それに対し、あなたのケガが一定期間経過しても治らず、それが後遺症として残り、加えてその後遺症が然るべき機関において「後遺障害◯◯級」などと認定されたときに、通常の入通院慰謝料とは別に支払われるものが「後遺障害慰謝料」のほうです。

よくある間違いが、「慰謝料」と「示談金」をイコールだと考えている例です。

交通事故において、慰謝料は「入通院慰謝料」と「後遺障害慰謝料」の2つの慰謝料があり、それは「示談金」の一部だということがお分かりいただけたでしょうか?

言葉ひとつの誤った理解で、被害者が不利になる場面も少なくありません。今一度しっかりと言葉の正しい意味を知り、情報収集をされて下さい。

詳しくは下記の慰謝料まとめをご覧ください。

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