交通事故慰謝料ノート

交通事故の慰謝料や示談について被害者にとって有益な情報を配信します。是非、慰謝料や示談金の増額にお役立てください。

交通事故被害者に対する保険会社担当者のボヤキ(妄想)

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以下は、交通事故(被害者)を三度経験し、保険会社や弁護士の友人をもつ管理人の創作話です。

 

ーー◯△損保、鈴木さん(仮名)ーー

はぁ〜(ため息)
来る日も来る日も被害者から感情的になられてツラい、、、

仕事だからそれは仕方ないんだけど...

それにしても何で交通事故被害者は、こんなにも感情的になるんだろうか。いや、気持ちは私だって十分理解できますよ、そりゃあ。でも、ぶっちゃけ、私が事故を起こしたわけではないですよね? まぁ、私たちは保険会社ですから? 交通事故などのいわゆる「万が一」のときのためにこそ!って気持ちはありますよ。だから当然、加入者である加害者が自動車事故を起こせば、加害者の代理人である私たちが出動するわけですよ。で、その保険会社に勤める私が直接被害者の方と接するわけですが、ほとんどの被害者が「冗談じゃない!」「どーしてくれるんだ!」「騙されないぞ!」「後遺症が残ったら全部補償しろ!」のっけからこれですよ。中には、まるで親の敵でも見つけたかのごとく迫ってくる人や議論相手を見つけた活動家みたいな人もいたりして...

あぁ、ツラい...

ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいよ。なんでそんなに「保険会社は敵だ!」みたいな雰囲気になられているのですか?

おかしい、、、

「加害者が保険に加入していて安心した。だって、保険会社がいるからちゃんとした補償を受けられるわけだし。保険会社さん、ありがとね♪」

そんなふうに思ってくれてもいいのに...(補償するのは保険会社であり、もちろん私自身ではありませんが...)

けど、実際にそんなふうに思ってくれるのは50人に1人くらい...

300人の被害者と接すると(私の)理論上は6人くらいがそんなふうに思ってくれる人がいて、運が良くて、その中の1人から、実際に言葉で感謝の意を伝えられるというハインリッヒも真っ青のデータとなっています。(鈴木調べ、あっ、私、鈴木って言います。はじめまして!)

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昔はね、そういう300人中の1人からかけられる温かいお言葉を励みに仕事を頑張っていた時期もありました。

けどね、皆さん、よく考えてみてください。

300人の交通事故被害者と接して、そういう言葉はたった1つ!
1人の被害者の方と事故当初から示談まで平均で20回(3回で済む人もいれば30回を超える人もいる)のやり取りをするとして、6,000回ですよ、6,000回。内、半分以上が憂鬱なやり取りですからね。

正直、ツラいです。いくら仕事とはいえ、しんどいです。。。

仕事ってそんなもんでしょ?と言われてしまえば、それまでなんですが...

ツライです...

その頃は、仕事が終わるといつもこれを聴いていましたね。



世の中には、「クレーム対応」というお仕事をしているオペレーターの方などがいるじゃないですか。素晴らしいです。実に尊い存在だと思います。朝から晩までクレーム対応。仕事が「クレーム対応」ですからね、電話が鳴ったら、その時点でクレーム確定ですよ。意を決して、その電話に「ハイ!」と出るそのお姿。いくら仕事だとはいえ、私は尊敬します。私のような保険会社の担当者よりも感情を出すことを許されないそういう仕事をされている方々はすべて尊敬したい気持ちになります、はい。

どこかのえらい人が「泥棒と呼べば彼は盗むだろう」と言いましたが、これは簡単にいうと、「レッテルを貼られた人は、そのレッテルに寄っていく」という意味だと思いますが、あれは本当だと思いますね。

だから、私はその多くの被害者の方々からいただいた期待に応えるべく、貼られたレッテルを受け容れることにしたのです。

最近は被害者の方々に「1/300」の温かい言葉なんて求める気持ちは皆無です。そりゃ、あればあったで嬉しいですが、基本は求めないことにしましたね、そう思ったほうが自分もラクなので。


そんなことを考え、悩む時期を乗り越え、今の私があります。今では、泣く子も黙る保険会社担当者です。(もういいんだ、それで...)

大きく変わった私の考えは、ズバリ「メリハリ」です。つまり、常識的な対応をしてくる被害者には常識的な対応を。理解不能な対応をしてくる被害者には少々キツく接します。私だって人間だもの。

そもそも、昔から一定数いるのですが、事故の数日後から後遺症ガーと言ってくる人たちは何なんですか?

頭おかしいんですか?

後遺症の意味分かってます?

しかもねぇ、「まだ痛い。後遺症が残ったからその分もちゃんと補償しろ!」と無茶を言ってくる被害者が(結構)いますが、それで「はい、そうですか。分かりましたお支払しますね」なんてことになるはずないじゃないですか。そんなことをしていたら、うちを含めるすべての保険会社が潰れますよ?

後遺症については、後遺障害として認められたものだけが支払いの対象です。けど、後遺障害のことって、病院の医師もあまり「乗り気」ではないんですよね。加えて、ネットでは、保険会社からすればありがたいことに(?)ウソっぱちの情報がたくさんで、被害者の皆さんはその情報に翻弄されるので、ほとんどの被害者の方が(後遺障害として認定を受けるために必要な)手続きや検査で「時すでに遅し」という状況になります。

それを教えるのがおまえの仕事だろ?って?

いえいえ、勘弁してくださいよぉ〜。なんで、こちらにひどい対応をしてくる被害者の方にそんなことまで教えないといけないんですか? 残念ながら、それは私の仕事ではありません。(キッパリ)

昔、先輩にこう教わりました。

「請求されないものは払わない、請求できるものがあっても教えない、請求の仕方は聞かれるまで教えない」ってね。

あと、ちょっとした受傷でも、交通事故被害に遭ったのだからタクシーを使わないともったいない。タクシー代なんて保険会社に支払わせればいいんだ。とお考えの被害者がいますが、あれ、やめたほうがいいですよ。いや、もちろん、本当にタクシーでなきゃ通院できないっていうのなら話は別ですが、私の経験上、そんなケースはほとんどありません。そもそも、そんな状況なら入院するのが普通だと考えて下さい。けど、私も人間です。事故直後はいろんな不便を強いられて感情的になるお気持ちは理解できます。だから、そんなことを言ってきても、分かっていながら、多少は「承知しました。お身体がキツいうちはタクシーで通院されて下さい。領収書は後日お送りいただければ個別に対応しますので」なんてことを言いますが、それを当たり前だと思っていつまでもタクシーで通院するようなら、他の部分(慰謝料や休業損害等)でガツッと削ってやりますね。世の中、そんなにあまくないんです。

プルルル...プルルル...

あっ、すみません。また被害者からの電話です。石田さんか。。。(またあの人か...)

その人はどんな被害者かって?

あぁ、今電話がかかってきている石田さんは他覚所見がないむち打ち症状が出ている被害者さんなんですが、この人、通院は1週間にたったの2回、そんでもっていつもマッサージだけ。事故のせいで肩がコルとか腰が重いなんてことを言っていて、通院開始してまだ2ヶ月も経たないのに、後遺症ガーなんてことまで言っている人です。加えて、こっちは丁寧に接しているのに、「そっちがなんとかしろ」とか私のことを「アンタ」とか言ってくるので、腹立つので今週中で治療を打ち切ってやろうかと思っています。

えっ?今でも、ザ・フォーク・クルセダーズの曲を聴いているのかって?
いえいえ、今ではもうほとんど聴きませんね、あの曲は。
最近は、もっぱらこれを聴きながら、無茶なことを言ってくる被害者の治療を早めにバシバシ打ち切っています。



「では、私は仕事に戻りますね」と言い残し、鈴木さんは仕事に戻っていきました。

おしまい。

 

※この話しは、管理人と管理人の友人である現役の保険会社担当者及び弁護士と食事中にしたいた会話をモデルに創作したものですが、程度の差こそあれ、こんなふうに思っている保険会社担当者は多いです。妥当な示談金を手にするためにも、被害者の方はこれを参考に、保険会社担当者との接し方について今一度考えてみてはいかがでしょうか?