交通事故慰謝料ノート

交通事故の慰謝料や示談について被害者にとって有益な情報を配信します。是非、慰謝料や示談金の増額にお役立てください。

交通事故被害者が通院にタクシーを利用した結果どうなるのか?

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通院手段はひとつではありません。電車、バス、車(自家用車)、自転車、タクシー、徒歩...etc

中でも、一定数の割合で、タクシーで病院に通院させることを必死になって保険会社に認めさせようとする被害者の方がいます。

ここでは、通院にタクシーを利用し続けた結果どうなるのかをお伝えしたいと思います。

 

タクシーで通院したらすべて保険会社がタクシー代を支払うのか?

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まず、通院開始から症状固定までの間、ずっとタクシーで通院することを認める保険会社の担当者はいないでしょう。

ただし、事故当日から数回(数日〜数週間)はタクシーを利用しての通院が認められることはあります。もちろん、保険会社の方から「タクシーを利用して下さい」などとは言われませんので、どうしてもタクシーを利用したい場合は自分から申し出る必要があります。

「身体がキツいから」という自身の勝手な判断で、事前に保険会社の担当者から許可をとらずにタクシーを利用し、「◯月◯日の通院は、タクシーを使ったから」なんてふうにことを進めれば、被害者の印象はかなり悪くなり、以降のやり取りに支障をきたします。加えて、そのタクシー代は支払ってもらえるか分かりません。やむを得ず通院にタクシーを利用する際は必ず事前に保険会社の担当者に相談しましょう。

 

本当にタクシーが必要?

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私はこれまで数百名の交通事故被害者の相談にのったり、お話しを聞いてきましたが、その中で通院にタクシーを利用されている、もしくは利用したいと言っている方が本当にタクシーが必要であると思ったことは数える程度しかありません。(電車やバスで十分でしょ。もしくは入院するべきでしょ、という話)

簡単にいうと、ほとんどの人が感情的になった結果、「腹立つからタクシーを使ってやるぅ!」という気持ちがあるんだろうなという感じです。(お気持ちは分かります)

そもそも、何故、通院にタクシーが必要なのでしょうか?

多くの方がこのロジックです。

「治療や検査のため、通院する必要がある」
→「でも、電車やバスだと受傷した身体にはキツい...」
→「無理してケガがひどくなったら大変でしょ?」
→「タクシーならラクだからなんとか大丈夫」

う〜ん、分からなくもないですが、「感情」を抜きにして冷静にもう一度考えてみて下さい。

それって、本当にタクシーでなければ無理なんでしょうか?

 

あまりゴリ押しするとやぶへびになりますよ!

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被害者の中には、明らかに電車やバスでの通院が可能なのに、面倒くさいからなのか、保険会社の担当者に「タクシーで通院させろ」と迫る方がいます。それ、あまりゴリ押ししないほうがいいですよ。何故なら、保険会社の担当者はいつでも攻撃態勢に入ることができるからです。

よくあるパターンが、「通院にタクシーを利用しなければならないほどの受傷だったら、入院したはず」あるいは、「そんなお身体だとしたら、何故入院しなかったのですか?」と攻撃されるパターンです。相手は海千山千の経験豊富な保険会社担当者です。論理的で隙がない攻撃パターンは恐ろしくたくさんあります...

保険会社の担当者だって人の子です。しかも経験豊富なプロです。その被害者が本当にタクシーが必要な状態であれば、あっさり認めてくれますし、逆に担当者がその必要はなしと判断しているのであれば(その時点では)それが正しい判断だと思います。

とにかく、ヘタにゴリ押しすると、一気に攻撃態勢にスイッチされる可能性がありますから注意して下さいね。タクシー代なんて最終的に支払ってもらう妥当な示談金からしたら誤差の範囲です。そんな小さな部分にこだわるのはやめましょうよ、という話です。

 

保険会社の担当者がそれでもタクシーの通院を認める理由

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保険会社の担当者がタクシーでの通院を認めるのは、「その必要性を理解しているから」という場合と、「どうせすぐに治療を打ち切るから、そのくらい別にいいか」というケースがあります。

必要性があれば担当者は認めますし、必要性がないのにタクシーを利用して通院をする被害者に対しては、「いやいや、タクシーを使わなくても電車やバスで十分でしょ〜」という気持ちを隠して、「(通常より早い段階での)治療打ち切り」という反撃を開始してきます。※実際にそういうケースは少なくありません。

 

示談金が目減りします

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あまりタクシーを利用しての通院に固執しすぎていると、ドンドンダウンオンウェンズデイ(毎週水曜日にドンドン商品価格が下がっていく古着屋さん)よろしくどんどん示談金が減らされかねません。

早めの治療打ち切り→後遺障害難しい→後遺障害慰謝料と逸失利益なし→最低限の補償に。と、そんな具合で通院にタクシーを使い続けていると、結果的には被害者が損をするパターンが多いということです。

と、ここまでえらそうに知ったふうなことを書いていますが、私は20年ほど前に人生初めての交通事故に遭いました。そのときは保険会社の担当者に対し、感情的になり、その結果、電車やバスで通院できたにもかかわらず、何度かタクシーで通院し、全額(といっても総額で2万円程度)保険会社に支払わせてしまいましたが、今振り返ると、保険会社の担当者さんにも無礼な態度をとっていましたし、結果、示談金をガッツリ削られていました(今だから分かる)ので、無知というのは本当に恐ろしいです、はいm(__)m

ということで、まとめると、「本当にタクシーが必要なら仕方がないが、そうでなければ結果的に示談金が目減りするだけなので、タクシーで通院するのはやめよう!」ということです。